社会人の方へ

社会科学研究科(公共政策専攻)では、
「公務特待生制度」や充実したプログラムを用意して、
現職の自治体職員や地方議員のキャリアアップを応援しています。

現代社会は変化が激しく、かつ、政治や行政に対する市民の監視の眼もきわめて厳しさを増しています。

こうした状況下で、地域ガバナンスの質を高めるためには、市民参加や市民との協働により、納得と説得の政治行政への転換が不可欠です。

その鍵を握るのは、一人ひとりの自治体職員や議員の自己研鑽の積み重ねです。
「公務特待制度」を活用して、自分のスキルアップを図ると同時に、地域のレベルアップを図ってください。

入学金・授業料の大幅な免除により本人の経済負担を減らして研究に専念

公務特待制度は、現職の公務従事者(職員及び議員)を対象として、より高度な「政策マネジメント」などの知識や技法を身につけ自治体行政や地域政治の一層のレベルアップに還元できるようにするために、入学金・授業料の大幅な減免により本人の経済負担を減らして研究に専念できるよう本学が独自に設置したものです。

職員の場合は人事権者の、議員の場合には議長の、それぞれ推薦が必要です。

2年間で修士論文を作成して「修士(公共政策)」の学位を取得する「正規生」と、特定テーマで1年間研究する「研究生」(学位は取得できません。)の2種類があります。

昼夜開講の大学院なので働きながら通える

授業時間帯は、午後2時40分から午後9時10分です。

中央本線酒折駅から徒歩5分、自家用車の利用も可能ですので、勤務時間終了後に通学することができます。

充実した教育プログラム

教育プログラムも、経済学、国際経済学、公共経済学、経営学、租税法、国際関係論、マーケティング論、地方行財政、イノベーションマネジメントなど、非常に充実した内容となっています。

卒業生の声

ウィクラマシンハ ムディヤンセラゲ
インディカ トゥシャーラ

2022年3月修了生

ウィクラマシンハ ムディヤンセラゲ インディカ トゥシャーラ

私はスリランカ人です。2008年に留学で日本に来ました。

現在、甲府市内の会社で管理マネージャーとして勤めています。

スリランカの大学を卒業後に大学の研究者としてしばらく勤めて、その後、国の公務員として3年間仕事をしていましたが、もっと自分の可能性を広げたいと思って留学することにしました。

私の元々の専門は言語学でしたが、国際政治学を学びたくて専門分野を変えて山梨学院大学大学院社会科学研究科に入学しました。私にとって新しい専門分野でしたので最初の頃は不安でいっぱいでしたが、先生方々のご指導のおかげで無事大学院を修了できました。

私の専門科目であった国際政治学の勉強の中で国際関係について広い範囲で学ぶことができました。そして、大学院の勉強においては自分の専門科目以外に公共政策や憲法や民法などの様々な勉強が出来て非常に役に立っています。

上記で述べたように現在、日本で就職し仕事を頑張っていますが、自分の夢はいつか国際政治学の博士号取ることです。

これからも将来の夢に向けて頑張っていきたいと思っています。

舩岡 千晴

2022年3月修了生

舩岡 千晴

私は、学部生時代にはソフトボール部に所属しており毎日練習に明け暮れる大学生活を送っていましたが、税理士になるという目標のため、一念発起し大学院進学を決めました。

夜間の講義を行っている大学院であるため、仕事や資格の勉強をしながらでも学ぶことができます。私は、日中は資格の専門学校に通ったり、研究のために大学内の図書館へ行ったり、時間を有効に使い勉学に励むことができました。

講義は、少人数だからこそ意見交換がしやすく、学生の年齢層も幅広いため、様々な意見が飛び交い、とても貴重な体験ができました。私自身、租税法については、一からの勉強でしたので、理解に苦しむ時もありましたが、図書館には莫大な数の本・資料・参考書等があり、大学院内のパソコンでは租税判例を調べることもでき、とても勉強しやすい環境でした。

修士論文は、とことん研究してまとめるので、根気が必要でした。担当教授の先生は熱心にサポートして下さいました。また、税理士試験の勉強も応援していただき、精神面でもサポートして頂きました。そのおかげで、みごと合格することができました。

税理士資格は並大抵の努力では取得できません。それを肝に銘じ、最後まで諦めない、絶対合格するという強い意志が一番必要であり、更にそれをサポートして下さる環境はとても大事なことと考えています。そんな環境が揃っている山梨学院大学の大学院で学ぶことができ、本当に良かったと思っております。

森屋 直樹

2020年3月修了生

2020年2月の最終試験が終わるころは、新型コロナウィルスの感染がこれほどまでに拡大・長期化すると予測できた人は少なかったと思います。この記事を見るころには、平穏な日常が戻っていることを祈るばかりです。

私は精神科病院でのソーシャルワーカーや障害者の就労支援者を経て、現在、山梨大学学生サポートセンターアクセシビリティ・コミュニケーション支援室で障がいのある学生などの相談に応じています。一(いち)ワーカーとして、一教員として、自分自身が社会資源の一部として、相談者の立場に寄り添いながら、多様な課題に取り組んでいくためには、生涯学び続けていく必要性を感じています。

在学中には、指導教員をはじめ講師の皆さまには、魅力的な講義を準備していただきました。「学び直し」をテーマにとした新聞取材やエフエム甲府「生涯学習の時間」で障害者雇用をめぐる現状と課題について話をさせていただく機会もいただきました。学生生活では、国際色豊かな交流ができ、世界の状況を知るとともに、日本で学ぶという同級生の強い意志に心動かされながら、共に学び合えたと思います。

「お父さん、今日は先生をやるの?学生なの?」という娘と一緒に講義を受けることも多かったのですが、どの講師の皆さまも快く対応してくださいました。仕事や子育てをしながらでも、夜間に学ぶことのできる「公務特待生制度」のおかげで、贅沢な喜びを感じられる2年間を過ごすことができました。

私は、障がい者雇用における人材育成について、研修の実施や研修実施者へのインタビューを行い、効果的な人材育成について研究しました。これからも全国の実践している皆さまと連携しながら、地域に還元していくための研究や実践をしていきたいと思います。

若尾 直子

平成31年3月修了生

山梨学院大学大学院社会科学研究科にて、院生として学んだ2年間

「アドボカシー活動」という言葉をご存知でしょうか。

私は、2001年の乳がん罹患がきっかけとなり、がん対策にがん体験者の声を反映させたいと思うようになりました。振り返ってみれば、がん対策という公共政策に、当事者の声を反映させたいということになります。しかしその当時「公共政策」という言葉も「当事者参画」という概念もありませんでした。ただただ、自分の思うようながん医療環境ではないことにいら立ちのような感覚を持ったことを覚えています。

そして視野を広げてみると、「がん対策基本法」が策定されようとする動きがあったのです。何もわからないまま、その動きに加わりました。そして、がんアドボケイトとして、NPO法人を設立し、自身が感じたがん医療政策への提言活動を行うようになったのです。この活動がきっかけとなり、住民参画や住民自治、市民活動の展開と行政や制度とのかかわりに関心を持つようになりました。甲府市が「自治基本条例」を市民の手で策定するという動きにも興味をそそられました。仕事の傍らNPO法人としてがん啓発を行っていたのですが、そんな中、2度目のがん罹患を経験しました。急性白血病でした。奇しくも、がん対策に希少がんの視点を入れようとしている時期でした。

これらの体験がきっかけとなり、公共政策に当事者の視点を入れるための学問を学んでみたいと思うようになりました。

仕事や治療をしながらでも夜間に学ぶことのできる「公務特待生制度」は貴重な学びの場となりました。ここでの学びは、アドボカシー活動を続けるうえで、地域力を高める一助になると確信しています。

佐野 弘仁

平成31年3月修了生

私は甲府市議会議員として2期目出馬時に、公開型議員ローカルマニフェスト「マニフェストSW甲府」にエントリーし選挙に出馬していました。

改選から2年過ぎた頃に、どうしても議員策定マニフェストの理論化を研究したいと考え、本大学院の公共政策、特に地方政治学のカリキュラムを知り入学試験を受けることになりました。

今から思えば拙い内容の研究計画でしたが、入学が認められ先生方からの講義を受けることにより、知りたかった方向へと研究を深めていくことができたのです。

昨今の地方選挙における低い投票率や、議員評価に起因する議会への低い評価などに対する様々なご教示を頂きながら2年間で、地方議会における議員ローカルマニフェストの展開、議員ローカルマニフェスト発での住民福祉向上に資する、議員政策立案能力向上の必要性についての研究に取り組むことができました。

実務の議会活動の理論の補完ができたことで、どのような実践が住民の信託に応えていくかを学ぶことができたことは有難いことです。また昨年の第13回マニフェスト大賞では、応募2千余件のなか、議員ローカルマニフェスト管理や推進方法での、優秀マニュフェスト推進賞議会部門の5件に選ばれるという、高いご評価を戴くことができました。これも偏に先生方にご教示頂いたお蔭だと心から感謝を申し上げます。

本大学院で学んだ二年間の研究過程や、結果の方向性を、これからの議員活動の糧として参ります。

河西 哲朗

平成30年3月修了生

私は、山梨県職員として働く中で、自己研鑽の必要を感じていたところに、公務特待制度を利用しての学修について上司から紹介を受けたことから、本大学院への就学を決めました。

大学院での学修の本質は、問題を見つけ、研究計画を立て、研究成果を残すという研究のプロセスにありますが、正直なところ、就学を志した時点では、漠然とした自己研鑚の必要を感じていただけだったため、入学試験に向けた準備を始める中で、大学院での学修の意義を知ると、大学院に受け入れてもらえるのか、受け入れてもらえたとしても、自分が研究を進めていけるのかという不安でいっぱいになりました。

それでも、拙いながらも研究計画をまとめ、入学が認められると、先生方の指導を頂きながら、研究計画をブラッシュアップし、どうにか修士論文をまとめることができました。

先にも述べたとおり、私は山梨県職員として実務に従事しておりますので、学問と現実の間のギャップを感じることもありましたが、その際頂いた「現実を理想どおり進めることは確かに困難である。そうであっても、本来はどうあるべきかを考えることは意義がある。」との言葉は至言であると感じております。

この2年間で学んだ、研究のプロセスや公共政策に対する視点は、大きな財産となりました。今後も学んだことを活かし、常にどうあるべきかという視点を持ちながら、現実に対応していきたいと思っております。

浅野 美香

平成29年3月修了生

私は税理士になるためのステップとして本学に進学を決意しました。在学中は社会人として昼は仕事をし、週2~3日ほどのペースで夜の講義に出席していました。当時、税理士を目指していたものの、税務の知識はゼロに等しかったので、講義についていけるか不安がありました。しかし、税理士に必要な知識がしっかりと身につけられるよう、知識を基礎から習得できるカリキュラムとなっており、初学者でも安心して学習ができました。

また、先生方は個性的で親しみやすく、講義は適度な緊張感と和やかな会話がありとても楽しいものでした。在学中に税法科目を合格することができたのも、先生方をはじめとする本学の後押しがあったからこそと思っております。加えて、同じ目標をもつ他の学生の方との交流も、本大学院ならではのものだと思います。各々、それぞれの実務につきながら夜間は講義に集い、ざっくばらんに意見交換をし合えたことは刺激的な経験でした。

最後に、本大学院の最大のメリットは、税理士試験の2科目免除であると考えます。社会人として仕事をしながら税理士試験に合格するのは至難であることは、現在試験勉強されている方であれば十分ご理解いただけると思います。

税務の世界に足を踏み入れてまだ間もないですが、税務人生のスタートとして本学で得たものはとても大きかったと感じています。今後もさらに知識を研鑽し精進していきたいと考えております。

体験談としてご参考にしていただければ幸いです。

渡邉 光司

平成28年3月修了生

私は、大学を卒業後すぐに山梨学院大学院へ進学しました。入学の決め手になったのは夜間主体のカリキュラムと研究環境の良さです。

まず、本大学院のカリキュラムは夜間が主体になっています。授業は平日夜間18時より開講されているため、授業の他に仕事や資格勉強をする方にとって予定を組みやすいのが魅力です。私はこのカリキュラムを利用して、昼は東京の資格学校に通い、夜に大学院の授業を受けるというスタイルで学習を続けることができました。また、このようなカリキュラムから、本大学院は社会人の方が多く、実務上からの視点を踏まえた議論をすることができます。

続いて、研究環境については、本大学院の文献数が充実していることが魅力です。私は租税法のなかで所得税法を中心に研究しました。所得税法の文献は古いものが多く、雑誌・単行本が充実した図書館が研究には欠かせません。その点、本大学院の図書館は資料が充実しており、判例研究や論文をすすめる上で困ることはありません。目的の資料がない場合は、他の図書館との相互貸借サービスや文献を複写してくれるサービス等を利用することができます。

環境だけでなく、指導教授との距離が近いのも魅力です。研究への熱意にしっかりと答えてくれる指導教授のもと、恵まれた研究環境で2年間過ごすことは、自分次第で大きく成長することが可能です。進路の選択肢の一つとして、本大学院で自分の専門性を磨いていくことを、加えてみるのはいかかでしょうか。

志村 直毅

平成27年3月修了生
(笛吹市市議会議員)

現代において、「公共政策」を担っていくのは誰でしょうか?

私は市議会議員をしながら、本大学院で2年間「公共施設マネジメント」に関わる研究に取り組みました。この課題解決のためには地方自治体だけではなく、地域住民や、企業、事業者など、多くの利害関係者がさまざまな観点から、地域の未来やまちづくりを考えていくことが必要となります。「公共政策」の担い手は、行政はもとより、住民、NPO、民間企業など、多様な分野にわたるセクターや人々であり、それぞれの連携や協働も重要だと捉えられています。

本大学院での学びや研究活動は、社会人として仕事や生活、地域での活動をしていく中で、さらに多角的な考え方や行動力を持つことを可能にしてくれます。また、めまぐるしく変化し、情報があふれている現代社会にこそ必要な、俯瞰的かつ論理的な思考を一層高めてくれることでしょう。

議員と仕事をしながらの研究活動という「三足の草鞋」生活は、平坦な道程ではありませんでした。しかし、限られた時間で修士論文の執筆に取り組んだことは、その何倍もの成果を得ることができました。このことは今後の議員活動にも大きな糧となって活かせるものと感じております。

公務員の方々や、地方議会議員、民間企業にお勤めの方など、多様な人材がこの大学院で研究し交流を深めることで、山梨の「公共政策」が一層充実したものとなっていくことを願っています。

望月 利樹

平成27年3月修了生
(山梨県議会議員)

私が山梨学院大学大学院の門を叩いたきっかけは、議会人としての迷いを研究により解決したいという強い思いからでした。

入学当時、私はすでに地方議員としての活動が始まっていました。ご承知のとおり地域の将来の方向性を決める重要な政治的判断を迫られる地方議会においては、個々の議員の判断を持ち寄り、議論し、最終的に議決によりその自治体の方向性が決まって行きます。

地域の重要な方向性や課題解決のための議決をする場面に直面した時、私たち議員は知識や経験などを駆使して、自らが考える最良の選択をして行かなければなりません。

現在の地方行政は緊縮財政、人口減少、少子化、高齢化など様々な課題があり、あわせて多くの自治体が厳しい行財政運営の中で運営している中、集中と選択、より適切な政治的判断が必須の時代を迎えています。執行部のチェック機能という役割を担う地方議会において議決の判断に対しての責任の重さは計り知れません。

適切で正しい判断とは何なのか、どうすればベストな判断ができるのか。議会人としてのスキルアップを図り、適正な判断力を磨き、議決に対する自信をつけるために、また迷いながら行った過去の自らの議決判断の検証のためにも大学院で学んだ時間は有意義なものでありました。

これからも議会人として活動する中での礎をより強固なものにするためにも山梨学院大学大学院で学び、培った時間は大きな財産となっています。