教学構想と5つの重点領域

2022年11月
山梨学院大学学長 青山貴子

教学構想

山梨学院大学は、建学時より未来を見据えた学園づくりに挑戦してきました。現在、大学の教育理念として「広い国際的視野を持ち、実践的な知識と技能を備え、創造力と行動力を発揮して、理想の未来を創る人材を育成する」ことを目的としています。そして、「たくましく生きる力」を育成することを教育目標としています。

 ここでいう「たくましく生きる力」について、本学では、将来の予測が困難とされる現代社会において、さまざまな変化を受け入れる力、みずから目標を設定し達成への努力を継続できる力、人生において出会う困難を自身の成長の機会にする力、を指しています。

 本学では、学生一人ひとりの「たくましく生きる力」を伸ばすために、2つのビジョンを掲げてきました。そのひとつは、「教育の質的転換」ビジョンであり、「Critical Thinking & Creative Actionを実践して、常に進化・発展し続ける大学となる」ことを目指しています。そして、もうひとつは、「全学国際化」ビジョンであり、「Diversity & Inclusion を推進するとともに、国際共修の理念を理解し、実践する大学となる」ことを目指しています。この度、2023年度にむけて、この2つのビジョンを引き継ぎ、さらに新しいチャレンジを加えた5つの重点領域を設定します。

5つの重点領域

Ⅰ. 社会接続型カリキュラムの充実
 「学修者本位」を重視する価値として、従来の学部における特色ある教育・研究分野を活かすとともに、社会の変化や時代のニーズに即応するカリキュラム編成を目指します。具体的には、正課内外を通じたジェネリックスキルの育成として、スキル系科目、キャリア形成支援科目、語学、国際共修から構成される国際系科目を全学展開し、履修者の目標や関心に応じて選択できる科目を充実させます。このほか、授業時間外学習を促進する学びの仕組みやサポートを展開します。 
 また、学生にとってより分かりやすいかたちでカリキュラム提供ができるよう、「学びの領域」の整理を進め、学生自身が学部の学問領域にとどまらず、多様な履修の組み立てができる仕組みを整えます。
 さらに、カリキュラムを効果的かつ効率的に管理・運営するための体制・制度を整備し、学事暦および授業時間の見直しや、効果的・効率的な授業実施のための科目管理を行っていきます。

Ⅱ. 国際性豊かなキャンパスづくり
 自分とは異なる他者との出会いは、みずからの価値観を再確認し、創造的な活動を促します。本学でこれまで取り組んできた「30プロジェクト*」を継続し、留学生の受け入れ強化を進めます。そして、大学における「出会い」を促進するため、国際交流事業の展開(グローバル・エキスパート認定制度、短期留学プログラム、教員の国際共同研究事業等)を推進します。
 また、外国語による開講科目の充実を図り、留学生をはじめとする多様なバックグラウンドをもつ学生が効率的・実践的に学修できるカリキュラムを整備します。
*教員・職員・学生の外国人比率による目標を設定した全学国際化のためのプロジェクト『教学構想2019暫定版』)

Ⅲ. 自律的学修者を育てる総合的な学生支援
 学生が、みずから目標を設定する、あるいは目標達成のために行動するといった自己管理力を培うことを重視し、これを実現するために「自律的学修者」の育成を進めます。具体的には、アカデミック・アドバイジングの仕組みを構築し、支援を手厚く展開します。また、ステューデント・アシスタント(SA)によるピア・サポートを充実させ、学生自身が身近なロールモデルに基づいて自律性を育む環境を整えます。
 あわせて、留学生支援、スポーツ学生支援、障がい学生支援といった学生の個別のニーズや特性に応じた学生支援も実施していきます。各種サポートデスク、修学支援室での個別相談、保証人への情報発信および相談事業を推進するとともに、交流スペースの整備として、学生ラウンジの整備と活用を進め、すべての学生が安心して過ごせるキャンパスライフの提供を目指します。
 さらに、学生の出口支援として、就職希望者への就職支援を体系的に提供するとともに、本学の留学生に対する大学院進学支援を強化することで、卒業に至るまで一人ひとりの成長に伴走します。

Ⅳ. 地域連携ネットワークづくり
 人材育成は大学4年間だけで完結するものではありません。本学では、県内高校や地域企業等と連携しながら、「高大社接続」を通じた長期・連携による人材育成に取り組みます。具体的には、探究学習の支援を通して高校との連携を深めると同時に、学内では学修意欲やキャリア意識が高い学生を「コア学生」として育成し、高大連携の取り組みへと接続させます。あわせて、高校および大学間での教員交流、インターンシップを通じた大社接続を推進します。
 また、地域連携ネットワークづくりとして、コンソーシアムやまなしの活性化、データサイエンス教育をはじめとした科目連携のほか、実践力の涵養と地域貢献を目的とした地域連携科目の充実を図ります。大学間連携による教育の効率化、地域連携科目・実践型インターンシップ・リカレント教育等を通じて、山梨に位置づく大学として貢献します。

Ⅴ. 内部質保証システムの充実
 大学では教育力および研究力の向上を図るため、みずからの教育研究活動を点検・評価、改善することが求められています。本学では、内部質保証の取組として、教育活動および教員の評価制度の拡充を図ります。具体的には、教育活動評価の方針・基準を明確にし、特に授業においては授業観察制度を教育活動評価につなげるとともに、それぞれの授業の改善・向上を目指します。
 また、教学マネジメント体制の整備については、現在導入されたカリキュラム管理をさらに向上させるとともに、学生の立場に立って学修ポートフォリオやディプロマサプリを開発し、学びの可視化を促進します。さらに、教育活動や改善事業の取組について、大学としての説明責任を果たし、社会との好循環を生み出すための情報公開を積極的におこなっていきます。

 山梨学院大学では2023年度、以上の5つの重点領域を基にした教学に関する中期計画(大学版)を設置し、全学を挙げて教育理念と目的、教育目標の実現に取り組みます。

以上

5つの重点領域 中期目標
重点取組
Ⅰ. 社会接続カリキュラムの充実

「学修者本位」を重視する価値として、従来の学部における特色ある教育・研究分野を活かすとともに、社会の変化や時代のニーズに即応するカリキュラム編成を目指す。

①正課内外を通じたジェネリックスキルの育成
②「学びの領域」の整理
③カリキュラム管理体制の強化

Ⅱ. 国際性豊かなキャンパスづくり

「30プロジェクト」を継続し、留学生の受け入れ強化とともに、「出会い」を促進するために、国際交流事業の展開を推進する。

①国際交流事業の展開
②外国語による開講科目の充実

Ⅲ. 自律的な学修者を育てる総合的な学生支援

学生自身が将来と結び付けたカリキュラムを選択できるためのアカデミックアドバイジング制度、および学生の属性やニーズに応じた学生支援体制を構築する。

①自律的学修者の育成
②個別ニーズに応じた学生支援
③交流スペースの整備提案
④就職支援・進学支援

Ⅳ. 地域連携ネットワークづくり

急速に変化する現代社会に対応するために、「たくましく生きる力」をもつ若者を育成する、高校・大学・地域のネットワークを構築する。

①高大社接続を通じた長期・連携による人材育成
②地域連携ネットワークづくり

Ⅴ. 内部質保証システムの充実

教育活動および教員の評価制度の拡充を図るとともに、教学マネジメント体制の整備として、学びの可視化と情報公開に関する施策を展開する。

①教育活動および教員の評価制度の拡充
②教学マネジメント体制・制度の整備