山梨学院デジタルパンフレット::陸上競技部第98回箱根駅伝ドキュメント
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9久保和馬(西鉄。19年卒)は22年12月の福岡国際マラソンで2時間09分19秒で10位。4回目のマラソンで2時間8~9分台が3レースと安定した戦績を残している。今後の活躍が期待される〈写真:月刊陸上競技〉指導中の阿部コーチには若さと明るさが感じられる井上大仁(三菱重工。15年卒)は23年3月の東京マラソンで2時間07分09秒で10位。17年の世界陸上代表入り、18年アジア大会金メダルなど、日本のトップランナーとして活躍し続けている〈写真:月刊陸上競技〉山梨学院大を03年に卒業し、実業団の日清食品を経て08年に母校の指導者に。11年に監督に昇格し、7年目の17年にチームを全国高校駅伝優勝に導いた。そして22年には指導する吉岡大翔(現順大)が、5000mで13分22秒99と高校記録を更新した。 しかし監督就任1、2年目は全国高校駅伝で21位、10位と振るわなかった。「指導者と選手のすれ違いが低迷の背景にあったと思いますが、その間もチームとして大事にしていることを曲げずにやり続けました。挨拶や清掃など日常生活の基本や、社会に出てからも通用する言葉遣いや立ち居振る舞いなどです」 吉岡も記録を出すために逆算してやったのではなく、日々やるべきことをやり続けた結果の記録更新だった。 三菱重工の黒木純監督(94年卒)は、山梨学院大の後輩でもある井上大仁を18年のアジア悟史コーチによれば「頭ごなしでなく丁寧に、1人1人に接している」という。 その大崎コーチも選手との接し方を工夫してきた。丁寧に語りかけるが、言うべきことは言う。優しい雰囲気と受け取られることもあるが、重要なのは表面的な雰囲気ではなく指導の内容だという。「指導者が一方的に考えを押しつけたらいけない、というのが大会マラソン金メダリストに育てた。この3月の東京マラソンでは、山下一貴が2時間05分51秒の日本歴代3位で日本人トップ。8月の世界陸上ブダペスト大会代表に選ばれた。三菱重工はニューイヤー駅伝でも19年に2位、今年は4位と上位に定着している。 しかし14年と15年は九州予選で敗退し、ニューイヤー駅伝出場を逃したことがあった。黒木監督は「主力の離脱や私の指導における、見方の甘さが原因だった」という。練習メニューは予定通りに行っても、気持ちの持ち方で効果が全然違った。 立て直すことができたのは、「ウチは名称がマラソン部ですが、その間もマラソン練習だけはしっかり積み上げて、結果も出していた」からだという。 3人の指導者に共通していたのは、結果を出せない時期にも、チームの根幹となる部分をやり続けたことだった。基本です。例えば脚に痛みがあるなら状態を聞き、どうしてそうなったか、どう治していきたいかなど、選手の状態や考えをまずはしっかり聞き、その上でアドバイスをしていきます」 以前は痛みを言い出せずに悪化させる選手もいたが、近年はそういうケースは減っている。 しかし甘さが感じられる選手には、ストレートに指摘する。「ポイント練習を走れているのに、ジョグができないの? それでは土台ができていないよね」など、選手にとっては耳が痛い内容を、諭すように話す。 飯島理彰監督を加えた指導スタッフ全員が、言葉や接し方は異なっても問題の本質を見抜く眼を持ち、選手が強くなることを心から願っている。〒400-0814 山梨県甲府市上阿原町669-1 TEL 055-237-0297 FAX 055-228-5420空気と水で未来を築く株式会社 新光設備工業久保は福岡で、ともに日本人4位!●がんばれ YGU●私たちは、山梨学院大学陸上部を応援します。ちの活躍が注目の的にちの活躍が注目の的に■■OBがマラソンで活躍。井上は東京で、

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