学生にのぞむ 科学の進歩は地球の単位を越えて遠く宇宙に及び、次々と星の謎が解明されて行きます。それに比して、人間の社会にも、人間自身のこころにも、平和と幸福はもたらされておりません。今こそ教育について真剣に皆さんと共に考えるべきときであります。1 専門の学問と技術を身につけること。2 他のために貢献する情熱と、これを実践する力を養うこと。3 教養を広め、品性を高め、大いなるものへの畏敬を知り、一生の支柱となるような力の根源、人生のよりどころを身につけること。 上記の三つを兼ね備えることは、人間が真に生き甲斐を感じて生活し、美しい意義ある人生を全うするために必要なことで、大学にいる間にその基礎を養わねばならないのであります。 智と情と勇気をそなえ、実践を貴んで、社会に貢献する女性を育成する その内容は、智は物事の表面のみでなく本質を見通す叡知、情は純粋の愛、勇は万事を貫く強い意志のことであり、以上により得た力をもって、自己本位でなく、日本民族の発展世界人類の平和のために、又近くは縁ある凡ての人々のため、身をささげて尽くす女性であってほしいの謂であります。 以上述べたことは、時代がどのように変っても揺らぐことなき指導精神であり、これによって女性としてよき母よき妻となると共に、今後の国際社会にも対応できる能力を兼ね備えることができます。「かしこく、やさしく、強く」 どうぞ有意義で楽しい学生生活を送って下さい。やがて皆さんの天晴れ業を卒えられることを願って筆をおきます。 合掌 この「学生にのぞむ」は、本学創立者・故古屋喜代子学長の歴史的署名文章であり、本学創立の原点を確認して新しい方向を見極めるものなので、原文通りに掲載した。 本学では、古屋喜代子学長が亡くなられた翌年の1980(昭和55)年10月4日から毎年「木犀の会」を行っている。「木犀の会」は山梨学院創立者 故古屋眞一学院長、故古屋喜代子学長の建学の精神をたずね、未来にわたり継承すべきものを確認するためにもうけられた会であり、本短期大学の独自の文化として育まれてきている。山梨学院創立者 故 古 屋 喜代子― 12 ―ことであります。 大学に学ぶ目的 本学の教育目標
元のページ ../index.html#18