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山梨学院大学 教員プロフィール

法学部政治行政学科 特任教授

日髙 昭夫(ひだか あきお)

日髙 昭夫
担当科目
自治体行政学Ⅰ・Ⅱ / 地域課題実践研究 / 基礎演習Ⅰ・Ⅱ / 演習Ⅰ・Ⅱ
講義日
火曜日・水曜日・木曜日
研究室
新12号館2F 2-12研究室
専門分野
自治体行政学、行政評価論、ローカル・ガバナンス論、町内会自治会論
最終学歴
中央大学大学院法学研究科博士課程前期課程修了
取得学位
法学修士(中央大学)
主な所属学会
日本行政学会

研究のヴィジョン

私の目指したい自治体行政学は”Local Governance and Public Management”と言い換えることができます。ここでいう”Local Governance”とは、地域公共問題をめぐる利害関係者たち(stakeholders)の相互調整の機能を意味します。
公共サービスの企画・提供者としての自治体の役割が大きいとはいえ、自治体だけでは地域公共問題の解決は不可能に近いのが実情です。例えば、高齢者介護という社会問題の解決には、市町村が保険者となる介護保険制度が非常に大きな役割を果たしていますが、その介護保険サービスの費用は国、県、市町村(税金)、40歳以上の被保険者(保険料)、サービス利用者(自己負担)が一定の割合で分担する仕組みになっています。
また実際の介護サービスも民間の指定事業者によって提供されています。つまり、自治体の経営する介護保険事業そのものが、すでに行政、市場、社会、地域、家族、個人などの相互依存システムによって支えられています。
その上、実際の高齢者介護は、制度としての介護保険サービスだけでは支えることができません。家族や地域住民、ボランティア、民間サービスなどの多様な自立生活支援の支えが不可欠です。
こうした地域住民だれもが潜在顕在に必要だと考える公共問題に関する解決策(地域公共政策)を模索し提案し調整し実施する仕組みを「ローカル・ガバナンス」と呼びたいわけです。
そのイニシアチブやヘゲモニーを誰が担うかは一概にはいえませんが、重要なことは、お上や政府(自治体を含めて)だけが常にそのイニシアチブを執るわけではない、ということを確認しておくことです。
しかしそれにしても、日本には現在、約3万7千人余の公選の特別職公務員(知事、市区町村長、地方議員)と290万人弱の一般職公務員(警察官や公立学校教員を含む)が働いています。地域公共政策、行政経営、公共サービスの専門家たちです。
この三百万人に近い「専門家」たちの組織(自治体)が、いかにすればローカル・ガバナンスの形成を支援し総合調整するための公共経営(Public Management)の担い手として機能するか。これが私の自治体行政学のもう一つの、というよりも最も核心的な問題関心です。
「ローカル・ガバナンス」の強調は、ガバメント(政府、行政)の衰退ではまったくなく、逆に「新しいローカル・ガバメント(地方政府)」の再生を促すものだと考えています。

主な研究業績

(主な著作)
・単著『基礎的自治体と町内会自治会―「行政協力制度」の歴史・現状・行方』春風社2018年
・共編著『コミュニティ事典』春風社2017年
・共著『政治行政入門 新版』公人の友社2017年
・単著『地域のメタ・ガバナンスと基礎自治体の使命』イマジン出版2004年
・単著『市町村と地域自治会―「第三層の政府」のガバナンス』山梨ふるさと文庫2003年
・単著『自治体職員と考える政策研究―分権時代の新しい政治行政作法』ぎょうせい2000年など。


教育のヴィジョン

私の担当している授業の基本的なねらいは、公共的な性格をもつ多様な社会問題に対する学生たちの「関わり(コミットメント)」??「他人事」ではなく「自分事」として関わること??の場を設定することです。
いわゆる「勉強」というのは、「憶えること」や「知識を増やすこと」などのような、どちらかといえば客観的情報量を増大させることとイメージされている傾向があります。
それももちろん非常に重要ですが、それが自発的な学習行動に発展するためには、問題との「関わり」を介した「問題意識」を各自の心の中に生み出すことがより重要だと思います。
この「関わり」は、五感を使った何らかの実体験??だいたいはハラハラドキドキの感情を伴う人と人との主観的な情報交換、コミュニケーション過程??を通して生まれるものだと思います。
そういう実体験をすでに持っていて、それを学問的な関心にまで深めようとする学生も、まれにはいます。
しかし、多くの学生は、「自分」と「社会」との繋がりや関わりはあまり自覚していません。その無自覚の「空間」に働きかける教育手段が授業であると思っています。
したがって、授業が終わったときに、「新聞を読んで分かるようになりました」とか「もっと学習してみたいテーマがみつかりました」とか「授業で扱ったこの部分についてもっと突っ込んで調べてみたい」とかいった学生が増えていることが、私の授業の直接的成果を計る指標となります。
そして、「先生、あのときの授業やゼミでやったことがいま活きていますよ」などと一言記された卒業生からの年賀状の枚数が、教育の最終成果を計る指標となるのではないでしょうか。

主な教育・指導

私の教育活動のモットーとしていることは「自分の足で稼ぐ」ということです。「足による学習」といってもよいでしょう。
社会問題や公共問題に対して学生が「自分事」としてコミットするためには、ただ本を読んだり講義を聞いたりするだけでは十分ではありません。自分の足で資料やデータを集め、キーパーソンの話を聞いたり、アンケート調査を行うなどの「フィールド・サーベイ」が不可欠だと思います。
こうした仕掛けを効果的に成功裡におこなうためには、できるならば学生をチームとして編成し、グループ研究を行うように支援することが必要です。「三人寄れば文殊の知恵」というように一人ではできないこともチームならできる可能性が広がります。
私が担当している地域課題実践研究では、こうしたスタイルと考えで進めたいと思います。

社会活動のヴィジョン

「知行合一」あるいは理論と実践の首尾一貫性が私の目指したい社会活動の姿です。「実践」とは、必ずしも社会運動ないし市民活動を意味しません。自分の専門性の持ち味を発揮できる領域や方法によって、常に何らかの「実際的改革」にコミットし続けることを指しています。
それは「大学改革」である場合もあれば、「自治体改革」である場合もあり、地域コミュニティや市民活動の「改革」である場合もあります。
この20数年の間、社会活動で私が最も力を入れてきた分野は「自治体職員の内なる行政改革」すなわち自治体職員の意識改革の問題です。
地域ガバナンスの編制によって地域公共問題の解決を目指そうとするとき、その成否の鍵を握るポイントの一つが自治体職員の質(意欲、能力、技能)だと確信しているからです。具体的には、政策マネジメントや行政リソース管理の力量を向上するための働きかけを行ってきました。特に職員研修の講師や職員との共同研究、各種審議会等での議論や共同作業などにはかなりのエネルギーを割いてきたつもりです。
こうした社会活動へのコミットは、翻って、私の理論研究上の問題意識を刺激したり、新しい視点やヒントを提供してくれたりしました。よい意味で「持ちつ持たれつ」の関係を維持し発展させることが、これからも私の社会活動への関わり方の目指すべき姿だと思います。
また、最近では地域コミュニティ関係の仕事が増えるに伴い、多様な地域活動主体との交流にも心掛けています。

主な学内活動・社会活動

(学外)
甲府市地域創生戦略会議会長
笛吹市入札監視委員会委員