大学院法務研究科の学生募集停止について
 

山梨学院大学大学院法務研究科(法科大学院)学生募集停止について

 山梨学院大学法科大学院は、2016(平成28)年度以降の学生募集を停止するという苦渋の選択をせざるを得ない事態になりました。
 このような事態に至ったことについて、在学生および修了生のみなさん、これまで多大な支援をしてくださった大学・法人関係者、弁護士会をはじめとする地元法曹関係者にお詫び申し上げます。また、これまでのご支援とご協力に対し心より感謝申し上げます。
 このような状況について何よりも不安を感じている在学生のみなさんには入学時に約束したことを遵守するとともに、修了生のみなさんにもこれまでと変わらぬ勉学環境を確保することを約束します。

1 本法科大学院のこれまで

 本法科大学院は、地域に貢献できる法曹の養成を基本理念にして、アジアをはじめとする国際的な視野を持って活躍する法曹、子どもや社会的弱者の人権の擁護者としての法曹の養成を理念に掲げ、2004(平成16)年4月に発足しました。
 法曹養成の実績のない山梨学院大学でしたが、これまで以下のことに取り組んできました。
 本法科大学院は設立当初から、能力や意欲がありながら、経済的に法科大学院を断念せざるを得ない学生に対し、奨学金制度をはじめさまざまな勉学環境を整備して、受け入れてきました。
 そして、大都市から少し距離を置く小規模法科大学院である特徴や利点を活かしながら、法科大学院棟・研修ハウス・寮の設備を含め最良の勉学環境の提供、教員・特別講師・チューター等による成長力向上の教育・指導の推進、司法試験の合格者の輩出と就職支援等により、「学生支援NO.1」の法科大学院をめざしてきました。
 さらに、弁護士会をはじめ県内法曹の温かい支援もあって、「地域に貢献できる」ということが具体的にイメージできる山梨という地を活かして、学生が目指す法曹像を展望し、そのために必要な能力や資質を身につけながら司法試験に合格できるよう、学生一人ひとりに応じた教育・指導を行なってきました。
 このような総合的な学生支援と学生の努力等によって、これまで81人の司法試験合格者を輩出し(旧試験1名を含む。累積合格率では私学で10位〔全体で23位〕)、また公務員等に就職するなど、修了生たちは各方面で活躍しています。
 わたしたちは自分の夢や未来に向かって取り組んでいる修了生たち、そしてそれに続こうとする在学生たちを誇りに思っています。このような修了生たちの活躍や在学生たちの姿をもっと広く知ってもらうことができたらよかったと思っています。
 本法科大学院のこれまでを振り返ったときに、その存在意義は十分にあったと考えています。しかしながら、道半ばで舞台からおりる結果になったことについて、教職員一同、本当に残念に思っていますし、くやしい気持ちでいっぱいです。

2 学生募集停止に至った背景

 法科大学院は発足以来、国の政策等に「翻弄」されてきました。わたしたち法科大学院関係者の本音は、「もっと落ち着いて、本法科大学院がめざす教育に当たりたい」ということでしたが、法科大学院制度は年を経る毎に落ち着くどころか、とりわけ中小の法科大学院つぶしとしか思えないような流れができ、その動向が加速されました。それに対し、各法科大学院も実際のところ自分の大学院を守ることに精一杯で、法科大学院全体として有効な手だてを打ち出せていない状況です。
 わたしたちはこのままでは日本の法曹養成制度そのものが崩壊する事態が進行しているという危機感を持ち、それを食い止めるためにも本法科大学院がここ山梨という地で、地元法曹と協力しながら、その設立の理念にふさわしい法曹養成機関として成長していくことが不可欠であるという自覚のもと、さまざまな改革・取り組みをしてきました。しかしながら、法科大学院志望者が激減し、その結果として定員の多い有力校への入学が以前より容易になったことなどから、本法科大学院の2015年度の入学者は6名という状況になり、本法科大学院が大事にしてきた学生同士の学び合いを確保することも困難な状況になっています。本法科大学院の力不足もありますが、本法科大学院だけの努力では打開できない事態になりました。
 このようななかで、設立以来全面的に支援してくれていた学部や法人が本法科大学院を支えきれない状況も生じ、法人本部から設立70周年を前にして財政規律の確立等による学生募集停止の検討要請を受け、本法科大学院としてもそれを受け入れざるを得ないという苦渋の決断に至りました。

3 在学生および修了生に対する教育および支援

 在学生および修了生のみなさんには、これからも「学生支援NO.1の法科大学院」をめざしてきた本法科大学院にふさわしい勉学環境を提供し、教育を続けていくことを改めて約束します。安心して勉学に励み、自らの夢・希望を叶えるべく努力を重ねてください。教職員一同、これまでと同様に、いやこれまで以上に丁寧かつ誠実にみなさんの力がつくよう教育および支援に努めていきます。

 最後に、関係者のみなさんのこれまでのご支援とご協力に感謝するとともに、本法科大学院がめざしてきた法曹養成の理念および教育機関としての信念については本法科大学院の教職員と修了生との結びつき・連携のなかで引き継いでいくとともに、形は変わりますが学部教育等のなかに活かしていくことを誓約します。

平成27年6月1日
山梨学院大学大学院
法務研究科長  荒牧重人

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